No Royal Road to Learning

ペーパーバックやオーディオブックのレビューを中心とした英語学習の日々をポチポチ綴っていきます。

エリック・シーガル ラヴ・ストーリー(ある愛の詩)

ここ一か月ほど随分長らくブログが書けていなかったのですが、皆さんお元気ですか。長かった梅雨もようやく明け、いよいよ暑さが本格的になってきましたが、熱中症には気を付けたい所ですね。さて、今回紹介するのは、今から50年ほど前「ある愛の詩 」として人気を博した映画の原作本である、アメリカの作家エリック・シーガルの『Love Story(邦題:ある愛の詩) 』です。

Love Story: The 50th Anniversary Edition of the heartbreaking international phenomenon (English Edition)

Love Story (オーディオブック)

ある愛の詩 [DVD]

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 ストーリーは、何代も続く名家の青年、オリヴァーと貧しいイタリア移民の娘、ジェニーは大学で出会って恋に落ちますが、あまりにも違う家柄故親から交際を猛反対されます。元々厳格な父親に反発しながらも怯える性格だったオリヴァーは、ジェニーを愛する事により強く成って行き、父親から勘当されながらも結婚までこぎつけますが、幸せいっぱいの二人を待っていたのはジェニーの病魔という余りにも残酷なもので・・・。

という感じです。登場人物の病気や社会格差が生む人間関係の壁を扱った、今となってはよくある悲恋もので、ニコラス・スパークスや日本で言えば「世界の中心で愛を叫ぶ」等の原型と言える作品で、悪く言ってしまえばそれ以上でもそれ以下でもありません(笑)。上に挙げた現代の作品と比較すると登場人物の心の変化の描写が少ないのでその辺を期待して読むと物足りなさを感じると思います。その分、物語の舞台となった70年代アメリカの社会情勢が描かれていて、小説と言うよりは当時の若者が社会に対して感じていた事がダイレクトに感じられる作品です。

英語は、ベタな話なのでそれほど難しくはありませんが、やはり50年前の話なので会話表現が少し古かったり、馴染みのない固有名詞が出て来る点を除けば問題なく読める一冊です。何しろ有名なので、英語学習者向けに平易な英語で書かれたリトールド版や映画もありますので、英語力に不安のある方はそちらからチャレンジしてみるのも良いかもしれませんね。短いですし、夏休みペーパーバックを読んでみたい!という方には特にお薦めです。

 

Oxford Bookworms Library: Love Storylevel 3 (Oxford Bookworms Library. Human Interest. Stage 3)

Love Story (リトールド版オーディオブック)CD Pack

 

邦訳も出ています

ラブ・ストーリー―ある愛の詩 (角川文庫)

wow! ディズニー・マニア 

梅雨に入り、毎日のように雷雨か雨の日が続いていますが、如何お過ごしでしょうか。今日は英語の洋楽をレヴューする記事を書きたいと思いますが、音楽レヴュー初回の今回紹介するのは、ディズニー・チャンネルで活躍するスターがディズニー映画で使われた有名な曲をカバーしたアルバム『WOW!~ディズニーマニア』です。

Disneymania

WOW!~ディズニーマニア(CCCD)

アルバムが発売された当時ディズニー・チャンネルの看板スターだったヒラリー・ダフを始めとして、ディズニーのミッキー・マウス・クラブ出身のクリスティーナ・アギレラや、イン・シンク、アーロン・カータージェシカ・シンプソンS Club 7といった豪華アーティストがディズニーの曲を歌うという聴きどころ満載のアルバムになっています。親しみやすい楽曲の数々と発音のクリアさで英語学習入門としては最適な教材であるディズニーのアルバムで英語に触れる事が出来る点で、お子さんからディズニーに夢中になった昔を思い出しながら聴きたい大人の方々まで万人に非常にお薦めの一枚です。ただでさえ憂鬱な雨の日、このアルバムで家の中でもディズニーの魔法を味わって、明るく楽しい気分で過ごしてみるのは如何でしょうか。

 

メルバ・パティロ・ビールズ ウォーリアーズ・ドント・クライ

新しいブログに引っ越しして、事実上初の記事になります。初回の今日は、公民権運動により黒人(正確には有色人種全部)を差別する法律が撤廃されていった1950年代のアメリカで、最も差別が激しかった南部・アーカンソー州の人種統合されたばかりの白人用高校に初めての黒人生徒として通った生徒の一人、メルバ・パティロ・ビールズが自身の体験談を綴った回想録『Warriors Don't Cry』を取り上げます。

Warriors Don't Cry: Searing Memoir of Battle to Integrate Little Rock

Warriors Don't Cry: A Searing Memoir of the Battle to Integrate Little Rock's Central High (オーディブック)

ストーリーは、50年代のアメリカ南部では、公民権運動の高まりによって徐々に白人と有色人種とを分ける法律が疑問視され、撤廃されつつありました。それまで白人用った学校にも、黒人をはじめとした有色人種の通学も認められる様になります。そんな中、57年にアーカンソー州リトル・ロックに住むメルバと16人が元白人用高校に初の黒人生徒として通い始めますが、人種隔離政策に反対する白人生徒達の間にものすごい反発が起こり、メルバら黒人の通学を阻止しようとするデモや、執拗な嫌がらせが待ち受けていて・・・。

というものです。法的には人種隔離政策が緩和されてもすぐには無くならない人々の偏見と闘いながら、それでも自分の生まれや育ちに誇りを持ち、堂々と元白人用学校に登校するメルバ達17人のウォーリアーズが印象的です。白人生徒達の激しい差別に時には落ち込むメルバを叱咤激励し、最後まで堂々とする事を教えた彼女の祖母・インディアおばあちゃんの存在が光っていますね。落ち込んだときに読むと勇気を貰えます。

英語の難易度ですが、回想録という事もあり、一般のペーパーバックと比べても読み易い部類に入ると思います。ペーパーバックを読んでみたい!という方に特にお薦めです。

 残念な事に、この話から60年以上が経つ今でも人種差別は完全には解消されておらず、アメリカではよく人種差別に反対する抗議のデモが起こります。今では想像もつかない程の差別と偏見のあった時代に、良い方向に変わって行く希望を持ちながら行動していった心揺さぶられる話ですし、当時のアメリカの状況を知る貴重な歴史的資料でもありますので、是非多くの方に読んで頂きたい一冊です。

ご挨拶

アメブロからお引越しして来ました。これからはこちらがメインのブログ、あちらがサブのブログとなる予定です。私自身も予定外の突然の引っ越しに加え、はてなの機能が全く分かっていないので、読みづらい等ご不便お掛けしますが、これからも当ブログを宜しくお願いします。

 

以前のブログはこちら です